僕が運営しているヤマタクシードットコムサイト ( https://yamataxi.com ) で、この海の日連休中に茅野駅から桜平駐車場までのライドシェアを募集していた amomonte さんの相乗りプランに同乗して2週連続で八ヶ岳に行ってきた。
あまり天気が宜しくなさそうな予報の海の日3連休だったのだが、桜平分岐から上、予想以上のダートの悪路を経て目的としていた登山口の桜平の中駐車場に到着すると既に駐車する車で溢れかえっていたばかりか、至るところに路上駐車の車だらけだった。
自動車は軽なのでちょっとしたスペースに何とか止められないかとあれこれ頑張ったみたものの「やっぱちょっと無理かなぁ?」と試してみたところで、やってきた夏沢鉱泉の宿泊客送迎車運転のスタッフに「ここは通り道だろっ!」と怒られ(停めてみてわかりましたよ。そこまで怒って言わなくても...)仕方なく来た悪路を戻ってやっと駐車できた。途中、悪路を戻る時、今度は追いついてきたタクシーにクラクションで煽られ「こっちは軽なんでそんなにスピードできませんよ!」と思いつつも先に行ってもらうこともできず。そう言えば、数年前に穂高駅から中房温泉までた客としてタクシーに乗った時、前をゆっくり走る女性の車を煽りに煽って抜かして行ったことがあった。そんな運転されると乗っているこっちが怖いですから。長野のタクシードライバーは運転が荒いのかなとちょっと思っている。
とは言え、やっぱり連休や夏休み中の土日は自動車で登山口に行かない方がいいなと改めて思った。それこそもっとタクシーやマイカーをシェアして行けば山の環境負荷も低くなると思うのだが...山の自然への社会貢献を思っても頑張ってもっともっとヤマタクシードットコムの認知を広めて普及させたいなと改めて思った。
登り始めると体が重いしすぐに喉が渇く。今日はザックも軽いしまだ夏沢鉱泉の車も走る林道なのだが。ここ桜平から登るのは2度目なのだが最初に来た時もなぜか相当にへばった覚えがある。他の八ヶ岳の登山口に比べるとここは楽なはずなのだが。夏沢鉱泉についてちょっとでも軽くしたいなとザックにしまっておいたチューハイを飲む。
うん?思い返せばそのくたばった最初もここでビールを飲んで喉を潤したが回復するどころかなお一層へばったのを思い出した。
オーレン小屋に着く。ペースが一向にあがらない。見上げる八ヶ岳の稜線も雲の中で全く望める気配もなくここで今日は八ヶ岳の稜線を歩くのはもうやめようと思った。そして、もう30回以上も来ている八ヶ岳でまだ踏んだことのない頂、超マイナーだがいつか一度は訪れてみたいと思っていた「峰の松目」に行くことにした。
もちろん写真でそのピークのあまりの地味さは知ってはいたが、到着するとこの天気で雲に囲まれ、さらに樹木に覆われ展望のないその頂は、この人気の八ヶ岳でも好き好んで訪れる人はいないだろうなと納得できるほどの地味さだった。
山頂に3分もいればもう十分なほどですぐに頂をあとにした。
峰の松目に登っている途中ここで地図読みの間違いをしたことに気づいた。オーレン小屋から登り赤岩ノ頭へ登っていたのだが今日はあまりにきついので、その分岐にザックをデポして峰の松目に向かったのだが、山頂まで20分と書いているのに一向にピークに近づく気配がないのだ。それどころかその途中に「天狗岳-峰の松目-オーレン小屋」という分岐がある。あれこれ考えるが20分の距離ということでザックに地図を置いてきしまっていたので確認のしようがない。
とにかく峰の松目に向かったのだが空身で歩いたのにザックをデポしたところから25分以上掛かっている。あぁパッと地図を見ただけだったから何か間違えたなと思った。
ザックをデポした分岐まで戻って地図を確認する。ここは赤岩ノ頭に直接登る分岐で峰の松目に登る分岐ではなかった。となるとここから峰の松目山頂までは45分くらいの距離になる。しかもこんなにくたばっている今日なのに無駄にも標高差150mほど登って下りてきている。もし山頂まで20分と勘違いしていた「天狗岳-峰の松目-オーレン小屋」分岐までザックを持って行っていたら、あと40分もあれば赤岩ノ頭に着いたのに...
仕方がない。再び歩き始める。今日の体の調子の悪さに加えてもう精神的ダメージも大きい。見上げると一向に無くなりそうもない雲を眺めて今日はもう稜線を歩くなんて気持ちは全くなくなった。
赤岩ノ頭が近づくと傾斜がきつくなり持ち上げる一歩一歩の足が重い。前回と同様に途中飲んだ酒が悪かったのかこの桜平からの登山は相性の悪い鬼門のように感じた。
何とかやっと赤岩ノ頭に着く。今日は朝の電車の中で大福餅を2個食べただけだからシャリバテもあるのかな?と座り込んで残った餅を食べた。風が通り抜ける森林限界上はすぐに体が冷える。そうこうしていると今度は雨粒が落ちてくる。今日は18時過ぎから雨という予報だったのだが...つくづく今日は良くない日だなと思った。森林限界上で雨に降られるのを避けるようにすぐに下山し始める。
赤岳鉱泉への下りは歩きにくく感じた。そう言えばもうここ何年も雪のある季節にしかここら辺には来ていない。トレースのある雪道は平坦でクッションがあって歩き安いが、むき出しの登山道は不規則に岩や石があり、木の根っこがあり、段差があり、とても歩きにくいのだ。
まだまだ小雨の雨に追われるようにビールも飲むことなしに赤岳鉱泉を後にする。時々、雨粒が大きくなったりするが何とかレインウェアを着ることなしに美濃戸まで下りてくる。こういう日の一人歩きの下山はあれこれネガティブなことばかり考えて沈みがちな気分になってしまう。今日は山に来ずに自宅にいた方が良かったのかな...
美濃戸から先、今夜宿泊する美濃戸口まであと50分ほど。四輪駆動車なら通ることができる長い長い林道歩きだ。次第に雨も強くなってきたので傘をさして歩く。一台の車が後ろから近づいてくる。林道の端に寄って車が通り過ぎるのを待っていると丁度真正面に来た時に車が停まり窓が開く。「美濃戸口まで乗せて行ってあげようか?」自動車に乗った2人組の男性に声を掛けていただいた。
ネガティブな気持ちで歩いていた今回の登山の最終盤、救いの神のように現れた御二方の優しさに触れ少しほっとした気持ちになった。本当にありがとうございました。
美濃戸口に着いて少しすると雨が次第に激しくなってきた。「持ってなかった日」の中で本当にラッキーな出来事だった。と同時にやっぱり登山者の間でもっともっとライドシェアが普及すればホントにいいのになと改めて思った。
もっともっとよし頑張って普及させるぞ!