コーイチロー。大分県生まれ。始まりはフライフィッシング。小学生の頃『釣りキチ三平』に出てきた見たこともない釣りのスタイルに魅せられた。しかし、そんなハイカラなものは僕の小さな片田舎にはなくいつしか忘れ去っていた。大学で上京、久しく釣りからも遠ざかっていた時期に見た映画『River Runs Through it』でフライフィッシングに再会。幼少の頃の憧れが一気に蘇り、よく分からないまま自由が丘のL.L.Beanにあったギアを買ってフライフィッシングを始めた。それ以来、キャリアだけは２０年を超えてしまった。

九州から東北まで色んな川を釣り歩いてきたが、だんだん見えてきたのは日本の河川の管理体制や開発による数々の河川環境破壊。日本の河川の現状は本当にひどいものだと思う。いつしか以前ほど川に足を運ばなくなった。

代わってここ６年ほどは山に登るようになった。憂いを感じることが多い今の川の状況とは違って、まだ山には手つかずの自然が生きている。時々出くわす沢で思わずイワナの姿を見かける。「まだこんな素晴らしい沢も残っているんだ！」これからは山登りの時にはフライロッドも一緒に持って歩こう。沢でときどき釣り糸を垂れながら山を歩く「フィッシュ＆ウォーク」。想像するだけで楽しそうだ。