この秋はラグビーワールドカップがあり週末ごとに日本代表、応援するニュージーランドのゲームがあり11月2日の決勝戦までおよそ1ヶ月半の間、仕方がないが週末の山はお預け状態だった。まあいずれにしても今年の関東周辺の秋は災害を伴うような天候続きでどちらにせよそうは山に行くことができる機会はそんなになかっただろう。
そんな中の九州への帰省。ちょうど紅葉の季節でもありハイキングのように歩けるくじゅうに行ってきた。
ただ山に行こうと思っていた当日の朝、80歳過ぎの両親の夫婦喧嘩が勃発。ちょっと仲裁に入ろうとしたら逆に巻き込まれてしまいなんとなく体裁が悪く、朝早く出発することができず。結局、なんとなく雰囲気が落ち着いてきた昼前に実家を出て、登山口の牧ノ戸峠に着いたのは13時になってしまった。歳を重ねると人は丸くなるなんてまったくの嘘だ。両親二人とも歳を取るに連れてどんどん頑固に頑なになってきている。参ったものだ。
牧ノ戸峠から沓掛山を見上げると山肌が色鮮やかに錦秋に染まっている。この時期にぴったりと合わせて帰省したわけではないがくじゅうの紅葉は今まさに盛りの真っ最中のようで、登り始めると朝から登ったたくさんのすでに帰る途中の登山者とすれ違った。
時間が遅くなった分だけ久住分かれ避難小屋に着く頃にはほとんど登山者も居らず、九重山頂ではこの紅葉の時期に静かな時間を過ごすことができた。せっかく帰省している最中の両親の夫婦喧嘩にほとほと呆れて腹が立ったがこのくじゅうの雄大な景色を目にして少し胸がすっとした。
少し日が傾いてきた15時半まで山頂にある眺めのいい大石の上に寝転んでゆっくりした。思えば、すでに何度も登ったくじゅうだがこんなに鮮やかに色づいた錦秋の季節に登ったのはこれが初めてかも知れないと思った。