山に登ってみたいと思った。最近、ちょっとだけ山が流行っているせいだろうか。記憶の中で最後に山に登ったのは中学2年のキャンプで九重だけだ。歩いたのは何となく覚えているが山頂に達したかは全く覚えていない。毎夏、九重には帰省するたびに必ず着ている。広大な草原の広がる九重高原は故郷大分で一番好きな場所だ。
山と言えどフライフィッシングの装備は十分に持ってはいるか、登山の装備はもっていない。だけど、中学の時はジャージにスニーカーで登ったよなと思い、ショートパンツにTシャツ、スニーカーで出かけた。登山口に到着。ちょっと緊張する。体力も心配だ。高校時分までは、相当にスポーツをしてきた方なので基礎的な体力はあるのかもしれないが、もう十数年まともな運動はしていない。しかも最近ちょっと太ってもきた。
牧ノ戸峠から登り始める。いきなりの急登から始まる。さすがにキツイ。20分程で沓掛山のピークに着く。たった200m弱の登りがこんんなに大変なのか。そこからちょっとした岩場を通り越し、ザレた道をなだらかにしばらく登る。背丈の低い樹林帯を抜けると広い平原に出る。西千里浜だ。その中央を砂地の道がひときわ反りたった山に向かって伸びている。地図を持ってきてないので確認できないがあれが久住山だろう。
ずっとその山に向かって歩いて行く。ゴツゴツした岩場があり、その先を下ると広場があり避難小屋がある。何となく記憶にある風景だ。少し登り返すと九重分れ。右手の道は久住山頂に続いている。左にルートを取る。久住山にも登ってみたいが、「九州本土最高峰」の名がつく中岳が今日の最大の目標だ。少し歩くと眼下に大きな池が見えてきた。御池だ。中岳まへのルートはここでさらにふたつに分かれる。目の前に反り立った天狗ヶ城を経由して行くルートと御池を周遊して平坦に行くルートだ。疲れもあり御池を廻る。20分程歩くとその道が天狗ヶ城を経由してきた道と合流して中岳山頂へ登って行く。予想以上に急斜だ。ルートがはっきりしないところもあるがとにかく山頂に向かって登っていけばいい。
12時過ぎに山頂到着。まともに記憶がある中では初めての山頂到達だ。若干、霞んではいるものの久住の山々が見渡せ、はるか下には坊ガツルの湿原が見える。九州本土にここより高いところはないんだとしばし感動する。盛夏の山頂に吹きぬける涼やかな風がとても心地いい。持ってきたおにぎりを食べ、しばらく山頂からの雄大な風景を堪能する。
ここまで来るのに既に疲れたが、ひとつの頂にあがると他の頂にもあがってみたくなる。続けて天狗ヶ城、久住山に登って帰路に着く。久しぶりに汗を沢山かく運動をした満足感が体に染み渡る。ここ最近、汗をかくのが嫌でたまらなかった自分のライフスタイルを反省する。体を目一杯動かすことはこんなにも気持ちがいいことだたんだ。アラフォーになって改めて気づいた。
久住は温泉には事欠かない。前から行ってみたかった寒の地獄温泉につかって帰った。温泉も汗をかいた後はさらに一層気持ちよかった。