2016年5月22日(日)11:10

一度は登るべき?混雑のない時期を狙って日本最高峰富士山に初めて登る

富士山。あまり登ろうと思ったことのない山だ。登った他の山から富士山を見つけると「あっ富士山だ」と美しいなと眺めるのだが、登るとなると別問題で、豊かな森がある訳ではなく、美しい滝がある訳でもなく、起伏に富んだ登山道がある訳でもなく...ただただ火星のような無機質な登山道を山頂に向かってひたすら登って行くだけの山にあまり興味がわかなかった。また、あの開山シーズンの混雑状況と登山道の渋滞を見せつけられると、それだけで行く気が失せてしまう。

 

登る理由があるとするなら、「山登りをする日本人としてやっぱり一度は登らないと」、「今、住んでいる湘南から毎日、見ている富士山を、逆にあちらから見てみたい」「日本の3000m以上の山は全て登ろうと思っている」と言ったところだろうか。しかし「3000m・・・」のくだりも今となっては残っているのは、山頂直下までバスで行ける乗鞍岳、正直、槍ヶ岳のピークの集合体でいいんじゃないのと思う中岳・大喰岳・南岳だけなので、最近はどうでもよくなってきている。

 

週末の天気も良さそうなんで、鳳凰山で今年最初のテント泊でもと思っていたのだが、テント泊の準備をするのがどうも面倒くさくてやる気が起きない。じゃ丹沢かというと、それもちょっとイマイチ行く気が起こらない。あまり遠くまで行って日帰りじゃもったいないし...じゃ富士山でも行くかと突然思い立って行くことにした。実際、富士山の静岡県側の登山口へは2時間弱で行けてしまうので、丹沢の次に近い百名山と言えば富士山になる。

 

さっそくレンタカーを借りて夜中の11時に出発。富士宮の登山口に1時過ぎについた。途中で買ったビールを飲んで2時前に寝るが、朝4時過ぎには歩きだしたかったので寝れる時間はもう2時間もない。車中でシュラフに入って寝たが1時間も経つとゾクゾクと寒い、結局、ほとんど眠れずに辺りが明るくなってきた。本当は登ってる途中でご来光を拝みたかったのだが、スタートした時はすでに日の出時間を過ぎた4時50分だった。ただうまいことに登山道の位置の関係上、宝永山の脇から登ってくるご来光を見ることができた。

 

何の変わりばえのない火山の岩礫に覆われたつづら折りの登山道を、ただひたすら山頂に向かって登って行く。写真を撮ろうとしてもずっと同じ景色ばかりで飽きてくる。腕時計の高度をチェックしながら「今、赤岳だ」「おっ3000m」「ついに北岳、越えた」と思いながら歩いた。

 

9合目の小屋を過ぎた辺りで夏道が完全に雪渓になるので12本爪アイゼンを装着。久しぶりのアイゼンでさすがに足が重く感じるが雪に刺さる爪の感触を楽しみながら進む。今まで到達したことのない高度のせいか、動き以上に息が上がる感じがする。

 

雪渓を登り切ると雪に半分埋まった鳥居と境内が現れる。富士宮口頂上到着。ここまで3時間30分。意外にあっけなかった。コースタイムだと5時間45分なので時間だけみると結構早い。今日はゆっくり歩こうと全く急いだつもりはなかったし、何人か同じ時間に登っていた登山者も抜きつ抜かれつで同じような感じだった。

 

富士山は多くの観光登山者がたくさん登る山なので一般的なコースタイムもそういう基準で作られているじゃないだろうか。富士宮5合目登山口から剣が峰までが距離4Kmで標高差が1400m。似たような標高差の丹沢 塔ノ岳は7Kmで1250m、コースタイムは3時間30分。高度が高くて高山病の可能性があるので、よりゆっくり歩く設定になっているのもあるのだろうが、おそらく多くの人は5時間はかからずに登ってしまうんじゃないだろうか。

 

雪をまとった山頂のお鉢はダイナミックな噴火口だった。ここより高い場所は日本にはないのかと考えると意外にも少し感慨深く感じた(笑)ただ残念なことに晴れてはいるものの霞がかった天気のせいで、期待した湘南方面は全く見通すことができなかった。また今度、見に来いということか。ただ一人で登るには退屈過ぎる、次は友だちでも連れて少しワイワイしながら登りたい。だけど、それでも混雑シーズンにはまず来ないな。誰か行きたい人がいたら声を掛けてください。

 

帰りは緩んだ雪渓の雪の上を歳がらもなくひとり大はしゃぎしながら一気に8合目まで走ったり滑ったりして降りていった。登りで1時間20分かかったところをたった25分。楽しかった!

 

時間も早かったのでちょっと宝永火口を覗きに行った。見た目は山頂の噴火口と変わらないくらいで、その大きさに驚いた。

 

無事に登山口まで戻ってくると登山口に一番近い一番上の駐車場は車でいっぱいになっていた。そうだろう下山する途中、多くの人が登っていた。今年は雪が少ないので特に登りやすいのだろうが、アイゼンを使用するテクニックがあるなら梅雨の前のこのシーズンに、混雑のない富士山に登るのはいい選択肢なんじゃないだろうか。

 

富士山登りたい人~声かけてください~。

 

ルートマップ

データ

  • 入山日: 2016年5月21日(土)
  • 下山日: 2016年5月21日(土)
  • 登山エリア: その他の山域
  • 登山ジャンル: ピークハント登山
  • 登山スタイル: 日帰り
  • メンバー: ソロ
  • 天候: 霞みがかった晴れ
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