今年もくじゅう山に登りに来た。朝からカラッと快晴、絶好の登山日和だ。今日、行く予定はなかったのだが、朝5時半に目覚めると久しぶりに無性に山に行きたくなって、「山に行ってくる」と起きたての両親に告げて家を出てきた。
8時半に牧ノ戸峠の駐車場に着くが、第1駐車場は既にいっぱいで、第2駐車場も残り数台しか停めるスペースが残っていなかった。最悪、峠からちょっと離れると路駐できるところがあるので、遅くても何とかなりそうな感じではあるが、ハイキング感覚で登れるくじゅうは九州一円の人にとって本当に人気の山だ。
3月から仕事が忙しく、いや、そのせいにしているだけだが運動不足でもあり、さらにちょっと体重も増えてしまって牧ノ戸峠からのいきなりの登りが苦しい。40歳半ばを過ぎた年齢のせいもあるのかも知れないが、それはまだあまり認めたくはない。
やはりくじゅうは牧ノ戸峠から登るのがいい。沓掛山まで登ると、いつものくじゅうらしい山並みの先に久住山を見ながら進む。
でも、今日はそこにはいかない。
まだ歩いてないルートから星生山(ほっしょうさん)に登る。主コースはたくさんのハイカーが歩いているが、一歩外れると一人で静かに歩くことができる。星生山の細長い尾根を歩いて「久住分かれ」を過ぎる。次は、僕がくじゅうで一番好きな山「天狗ヶ城」を目指す。メジャーな峰ではないのだが、眼下に御池を見下ろす先に久住山があり、背後には噴煙を上げる硫黄山が見える景色のいい頂だ。人も多くなく、ご飯を食べるにはもってこいの場所だ。
ただ、今日はそうはいかなかった。山頂にはものすごい数の虫が飛んでいた。ちょっと立ち止まっているだけで、ハエだの、カメムシだの、よく分からない小さな甲虫が身体にまとわりついてくる。本当にもう、うっとうしいなんてレベルじゃなく不快なくらいに...
そそくさと頂から降りる。
今日のもう一つの目的地は「扇ヶ鼻」だ。1698メートルと1700メートルにも満たないレベルだが、阿蘇側から見ると手前に突き出して見えるとても景色の良さそうなところで、さらにここはミヤマキリシマでも有名だ。
主コースから外れること15分程度で扇ヶ鼻の頂に到着するが、残念ながらミヤマキリシマにはあと1週間~10日早かったようだった。ほんの数株だけ咲いているものもあったが、まだまだ青々している状態だった。ただ平坦な山頂一帯をミヤマキリシマの樹木が覆いつくしていて、満開になったらどんなに美しいだろうなと思った。
数年前に平治岳(ひいじだけ)で見たような鮮やかなピンク色のミヤマキリシマの絨毯をまた見たいものだと思う。ミヤマキリシマが満開になるのは例年、梅雨に入ってすぐの頃なので、天気との兼ね合いもあり、最高の状態で見るのはなかなか難しいものだ。
今日は、そう長い行程ではなかったが、5月とは思えない暑さのせいもあり少し疲れた。下山後、ノンアルコールビールだがとてもうまかった。
今年はまた9月か10月にまた帰省できるかもしれない。まだ、登っていない大船山にぜひ登ってみたい。ああ坊がヅルでキャンプをして大船山っていうのが最高だが、そうなると持って帰る荷物があまりにも重くなってしまうな...