迷走する台風とまたそれに続く台風で8月終わりにやっと来ることができた両俣小屋

迷走する台風とまたそれに続く台風で8月終わりにやっと来ることができた両俣小屋

今年も行ってきた南アルプス 両俣小屋へのイワナ釣行。 7月から天気の頃合を見て行こうと思っていたのだけど、意外と遅かった梅雨明けと、8月に入ると迷走する台風と、またそれに続く台風による不安定な天気予報で、結局、8月もこんな終わりの時期になってしまった。

山小屋に着くと残念ながら釣り兄貴の小屋番さんは里に下りていて留守だったのだが、その日いた小屋番さん、どこかで見たことあるよなぁ…と思っていたら、そう前に甲武信小屋にいた方だった。

さて、今年もイワナはたくさん釣れて、今釣行の最大の目標だった沢の最源流部まで行けて、夜は小屋に泊まる人たちと酒を飲んで釣りや山の話をして、楽しい夏の終わりのひと時を過ごすことができた。とても満足する山旅だった。

何より4日間むちゃくちゃ天気にも恵まれたことに感謝。下山途中、快晴の空に映える北岳や仙丈ヶ岳の稜線を眺めていると久しぶりに山にも登りたい気持ちになった。秋になったらまずは八ヶ岳とかから行ってみようかな。

ルートマップ

ルートデータ

エリア

南アルプス

入山日

2023/8/29

入山口

北沢峠

下山口

北沢峠

トレッキングレポート

Day1: 8月29日(火)仙流荘~北沢峠~両俣小屋

JR茅野駅。南アルプスジオライナーでここから仙流荘に向かいます。

北沢峠行のバスが出る仙流荘バスターミナル

1年ぶりに背負う75リットルのザック

仙流荘から1時間ほどで北沢峠に到着する。

まだ13時なので、頑張って歩けば16時過ぎには両俣小屋に到着するのだが、あまり急ぐのも嫌なので長衛小屋でテント泊する。

雨が降ってきてもあまりテントが濡れないように木の下に設営。

茅野駅で買ってきたビールを沢の冷たい水で冷やす。

昼ご飯を食べる。まだ14時なので時間がたくさんある。と言っても、もう飲むことぐらいしかないのだが...

バスが到着する北沢峠から歩いて10分ほどのところにあるここ長衛小屋のテント場は、すぐにアクセスできるし、ここにテントを張りっぱなしにして仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳と2座の百名山に登ることができるので大人気のテント場。

両俣小屋ラベルを貼ったウィスキーに手を出す。明後日の夜までは持たさないといけなので飲み過ぎないとうに!

夕方、少し暗くなって沢をのぞき込んでみると、昼間はいなかったイワナがたくさん泳いでいた。やっぱ居るよね。

Day2: 8月30日(水)両俣小屋 (泊)

パッキングを終えて、朝7時に長衛小屋を出発。

ひとの手入れが遠のくと植物がまた一気に息を吹き返す。道路の真ん中にアスファルトを引き裂いてアザミが育っている。

7時46分、野呂川出合。林道に入って行きます。

小仙丈沢は問題ない水位

どこだったか毎年忘れるのだがある一区間だけ甲斐駒ヶ岳がきれいに見えるところがある。

9時11分、あと「43分17秒」標識。この時間ではとても到達できない。さらに、2019年の台風で、この先の道が崩落して歩きにくくなったので今ではなおさら。

キオンの花

ノコギリソウ

クジャクチョウというらしい。

2019年の台風で両俣小屋までの途中の道路が何か所も崩落して、脱出できなくなった小屋の車。

9時42分、あと「15分」標識。ここで沢に下って、そこから先は沢沿いの道を歩く。

10時05分、両俣小屋に到着。

両俣小屋の飼い猫ミーくん。珍しく寄ってきた。

沢割り表。左俣も右俣も今は誰も入ってないよう。12時過ぎから左俣に入ることにする。

さすが両俣小屋。ここまで来た甲斐があった。いいサイズのイワナが次から次に釣れる。楽しい。

釣り終了。両俣小屋に着いて午後から数時間の釣りでイワナ11尾。やっぱここは魚影濃いなぁ…

両俣小屋の神様にご挨拶。今年もまた来ました。

十分に満足したので16時過ぎにはビールを飲み、晩御飯の準備をする。定番メニュー、チキンラーメンにレトルトの中華丼を餡かけで食べる。

小屋前のテーブルで夜更けまでウィスキーを飲んだ。

Day3: 8月31日(木)両俣小屋 (泊)

3日目の朝。のんびりと8時過ぎに起き上がる。今日もいい天気だ。

小屋のある谷に朝日が差し込み始めると一気に暖かくなってくる。

途中、竿を出さずに左俣を50分ほど一気に上ってきた。この落ち込みが今まで僕が来たことがある左俣の一番上流。今日はまだ釣りをしたことのない、この上流部を、左俣の最源流にある左俣大滝まで釣り上がっていく。

常連の方々に聞いた話だとこの先は釣りやすい渓相が続き、下流部よりも大物のイワナがいるらしい。

かなり浅いポイントだったのでスキップしようと思ったのだが、フライをキャストすると大きな黒い影が走る。

あがってきたのは今回の釣行で最初の尺上のヤマトイワナ。

今は通行禁止になっているが10年ほど前までは、この左俣を経由して北岳に登るルートがあった。その時の標識の名残。また整備されることはあるのだろうか?15年ほど山登りをやっているが通れなくなったルートがどんどん増えてきているように思う。

ここから北岳に登り上げていたのか。すごい急登。

左俣大滝の下、左俣で釣りができる最源流の開き。ここには大物がスポットしていると聞いていたのでミスらないように慎重にキャストする。

今回の釣行で最大のヤマトイワナが飛び出してきた。

初めて両俣小屋に来たのが2018年、それから途中コロナはあったけど、5年かかってやっと到達できた最源流の左俣大滝。

左俣大滝を眺めながら昼ご飯を食べる。まだ12時ちょっと過ぎだけどもう十分満足したので納竿とする。

左俣、右俣の行竜地点まで戻ってきた。今日の釣果に感謝を込めて両俣小屋の神様に手を合わせる。

3時半過ぎ、10人ほどのテレビの撮影隊らしき人たちがテント場に現れた。小屋番さんに何の撮影なのか聞くと、NHKの「テントを背負って」という番組で、著名人が山や海の自然の中でキャンプをするというコンセプトで、今回はテンカラ釣りが好きな昆虫学者が山深い山岳渓流にテント泊で釣りに出かける設定ということのようだった。

実は、その番組のことは見たことがあって知っていたのだけど、こんな大所帯で撮影しているとはびっくりした。釣れなかったり、その辺あちこちに毛鉤を引っかけまくったらプレッシャーかかりそう...

ただテント場にテントを張って時間をかけて撮影をしていたのだが、その日の夜、誰一人とそのテントには泊まっておらず、皆、小屋に2食付きで宿泊していた。まぁテレビなんてそんなものか (笑)

Day4: 9月1日(金)両俣小屋~北沢峠~仙流荘

4日目朝6時。小屋泊の撮影隊は釣りの撮影に出かけて行った。

北沢峠13時出発のバスに間に合うように、今日は帰るだけ。

8時30分、両俣小屋を出発。また来年も必ず来ます。

天気に恵まれた4日間だった。

それにしても初めて来たときと景色が変わってしまった。自然災害はこれからもっと猛威を振るってくるようになるのだろうか?

北岳肩の小屋にいる人たちも快晴で気持ちいいだろうね。

こんな道をてくてく歩いて帰る。

大仙丈ケ岳に峰

10時50分、野呂川出合。何とありがたいことに両俣小屋の運営を手伝っている常連さんの車でここから北沢峠まで乗せて行ってもらえることになった。ここからあまり面白みのない熱いアスファルトの車道を1時間近くひたすら登らないといけなかったのでラッキーだった。